身(行動)・口(語)・意(心)の不一致を自覚的に起こすことと、不一致を自覚したまま放置すること。特に、心身と言葉(口)が一致しないことを言うため、「口」が「虚ろ(真実ではない)」であると書く。方便とは別物である。

一般的に事実を歪めることを言うが、事実だと思っている認識(心)と発信がズレたことを指しているため、同義である。

「言ったことを守らない(変えない)」ことを「嘘」と解釈する風潮があるが、これは錯誤である。対象の言ったことを当てにするから、それを責める心が「嘘」という言葉に結びつきやすい。しかし、嘘とは当人の身口意の不一致であるから、心が移ろいゆくことに照らせば、言ったことを変えない方が「嘘」になりやすいとさえ言える。

自然には身口意は一致している。なぜズラすのか、それは二極による解釈によってである。

嘘は委ねの対極にある在り方であるため、嘘を重ねると自信を失う。

知っていることを全て言わなければ嘘になるわけではない。「言った方が良いな」と心が思ったのに言わないのであれば、これは嘘である。

嘘によって、別の対象対象であると錯誤させることを「騙す(騙す)」と言い、ある対象を別の対象であると錯誤させることを「欺く(あざむく)」と言う。そしてその両者を「偽り(いつわり)」と言う。

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