物質世界と精神世界

端的に言えば、物質世界とは物理現象である。精神世界とは心理現象である。

物理現象はわかりやすい。物がどのように動くのか、各々の動きがどのような次の動きと連鎖しているのか(この連鎖の法則性因果律と呼ぶ)を観察することのできる対象のことである。

対して心理現象とは、目には見えないが確かに感じるもの、というと分かりやすいかもしれない。私たちは明らかに日々感じ、思考している。さまざまな感情を感じ、時に悩み葛藤し、思考しながら日々の行動に影響を与えている。この物理世界と相互に影響しあっている心として広がる世界のことを精神世界と呼ぶ。精神世界を司る法則因果の道理という。

体で起こるホルモンの分泌やニューロンの活性は、精神世界の現象ではない。これは物理世界の現象である。そうではなく、精神世界の現象とは感覚によって認知する世界である。

ある日家に子犬が来た。これは物理現象である。そのときの驚きや喜び、これらは心理現象である。そのときの各神経回路のスパークや快感ホルモンの分泌、これらは物理現象である。そのとき感じる高揚感や喜びや期待、これらは心理現象である。

物理世界と精神世界をつなぐのが「感じる」という現象であり、感じるのは「心」の役割である。

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