恋愛のメカニズム

恋愛は二極に適うことに端をなすイメージの暴走である。熱狂の一種で、性に関連するものを特に指す。

イメージ対象について「わからない」部分で暴走するので、実際に知り合い、現実に過ごす時間が増えると暴走は徐々におさまり、やがて恋は冷める。

逆に、いわゆる「付き合えない」という状況が続いたり、相手を知るというプロセスが生まれない場合には、暴走は止まらず恋は燃え上がる。芸能人・著名人に対する「追っかけ」などもこの一種である。暴走の歯止めが利かない場合、ストーカーなど犯罪行為を辞さないようなケースも出てくる。

恋をする人は、暴走したイメージに対して強い好意を抱いているのであって、実際の対象に対してではない。「恋は盲目」というが、文字通り恋愛中は相手を見ることはできない。そのため、イメージ対象との間にギャップが生まれやすく、暴走が冷めた後は掌(てのひら)を返したように行動にも大きな差異が生じる。

俗に言う「倦怠期」とはイメージの暴走が冷めてきたギャップが生まれるタイミングを二極に適わないと解釈した表現である。倦怠感とは別物であるが、気力が溢れる心の様子と、それが失われる倦怠感の差異を、イメージの暴走時期とそうではない時期に対比させた表現である。(実際に心の気力本来暴走によって溢れさせる必要はない。むしろイメージの暴走は心を疲れさせる。)

恋愛と「付き合いたい」「結婚したい」という意思は関連しやすいが、別物である。付き合う・結婚などは主として所有共依存に関連する。「モノにしたい」という言葉が示すように、これは「自分に帰属させたい」という意思である。また、付き合うとは、主に互いのニーズを満たし合うことであり、共依存である(だから悪いということではない)。

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