やってはいけない確率の話
こんにちは、Jayです。
今日は、数字に関する話を書きます。
もっというと「確率」の話です。
確率って、わかりにくいですよね。
「明日の降水確率は30%です」
みたいなやつですが、
30%と言ったって、結局明日になれば
降るか、降らないかの0 or 100になる。
不思議ですねぇ。
ただ、この不思議について書くと
大変なことになってしまうので、
今日はその点には触れません。
それよりも、確率を実際に扱うにあたり
「やってはいけない勘違い」があります。
この勘違いをしたままでいると
「こんなはずじゃなかったのに」
とか
「確率って当てにならない」
みたいな結果を招いてしまう可能性があります。
ということで、今日はその誤解についてと
「そこから抜けるコツ」をお話しします。
確率って何
まず最初に「確率ってなんなの?」について、
簡単にさらってみようと思います。
確率とは、「確かさ」の「率(りつ)」です。
「確かさ」とは「絶対さ」です。
確かさが高ければ高いほど、絶対そうなる。
低ければ低いほど、ほぼそうならない。
ということですね。
「率」とは「度合い・程度」のことなので、
確率とは言い換えると
「どれくらい絶対そうなるの?」
ということになります。
%(パーセント)ってナニ
次に、確率によく出てくる「%」についてです。
これは「パーセント」と読みますが、
パー・セントです。
「パー」っていうのは、
例えば分数1/2とかの「/」です。
セントは、100です。
21世紀は英語で21センチュリーですが、
「世紀」は100年を1つとみる単位です。
1ドルは100セントですね。
つまりパーセント(%)というのは、
「/100」という意味です。
ですから、30%だと30/100ですね。
100%だと100/100。
実はこれだけです。
ちなみに1000は「ミル」です。お菓子のミルフィーユ(1000枚の葉)とか、有名ですね。
たとえば、
100%というのは「絶対そうなる」ということ、
0%は「絶対そうならない」ということです。
1%ということは・・・
では、ここから本題に移ります。
確率に関する「ある誤解」の話ですね。
これ、本当によくやります。
それは何かというと、
「1%ってことは、100回に1回ってことか」
これです。
・・・
これ、やっちゃいません?
私なんて、知ってたとしても
ついそんな気がしちゃいます。
もしもやらないとしたら、
そして何が誤解なのかも理解されているなら、
かな〜り数学センスに秀でていると思いますよ。
「●%=100回に●回」
この公式。これは完全に間違いです。
誤解に迫る ー コイントス問題
分かりやすくするために、
話を少し単純化しましょう。
ここはベタに「コイントス」を考えます。
ピンとコインを宙に飛ばして、
表が出るか裏が出るかというやつです。
表と裏には、同等な確率でなることにします。
つまり、50%と50%ですね。
五分五分ってやつです。
ここで「表を出したい」とする。
ということで、
あえて間違えた公式にはめると(笑)
「50%ってことは、100回に50回か」
になります。50%は1/2の確率ですから、
「50%ってことは、2回に1回か」
ということになります。
なんですが、、、
もし十円玉なり、硬貨が手元にあるなら、
ぜひ実際にやってみてください。
2回トスするんです。
で、表が出るかどうか。
1回でも表が出れば成功。
2回とも裏なら、失敗です。
どうです?
うまくいきましたか?
この「2回トスする」という動きを、
何回か繰り返してみてください。
意外と2回とも裏、出ませんか?
「2回に1回は表」って言えるほど確実に、
2回に1回「表」にならなくないですか?
不自然な事象のカラクリ
50%なのに2回に1回じゃない!(怒)
だから確率は嫌いなんだ!(泣)
感覚的な人ほど、このギャップにやられます。
これが確率が敬遠される理由の1つでしょう。
実は、これは「当然」なんです。
「表が出る確率50%」といいますが、
実はここにはある条件が隠れています。
それは「無限に繰り返したら」です。
そもそもが、
2回以内に表が出る確率ではない
ということです。
ちなみに、コイントスで2回以内に
表が出る確率は「75%」です。
同じように、
1%の確率の事象が100回以内に出る確率
これは「約63%」です。
めっちゃ低いですよね。
公式によって陥る罠
このギャップ、すごい危ないんですよ実は。
だって、1%の確率を
「1%ってことは100回に1回か」
と言い換えているということは、
「100回に1回はまず起こるだろう」
と考えているということです。
この「まず」はまず間違いなくの「まず」です。
つまり、1%という確率を
「100回やればほぼ絶対出会える」
という程度に捉えているということ。
しかし本来の確率は「63%」ですから、
実態は想定のほぼ半分です。
はっきり言って全然違う。
そりゃ、想定も外れますよね。
確実=7倍
試行回数が増えれば増えるほど、
パーセントと実態が近づいていきます。
それが●%の●回だと大体6割強ということです。
では、試行回数を2倍にしてみましょう。
コイントスなら4回、1%なら200回です。
そうすると「約86%」まで上がります。
結構「絶対」に近づきましたね。
でも、まだ少し心許ない気がします。
このまま倍々に増やしていくと、
3倍:95%
5倍:99%
7倍:99.9%
という感じになります。
つまり、7倍の回数を試行すれば
本当に「まず間違いなく」そうなります。
外れる方が奇跡という感じですね。
確率への体感を上げる
そろそろ記事をまとめましょう。
まず大切なのは
「●%=100回に●回」じゃない!
ということ。
「1%ってことは100回に1回か」ではないです。
では、じゃあなんなの?
というところですが、
2倍すれば結構出会える
3倍でまず出会える
5倍でほぼ確実に出会える
7倍で出会わない方が奇跡
です。
でも、これ全部把握しておくのは結構つらい。
そして、実際に沢山やるのはめんどい。
ということで、私のおすすめは「3倍」です。
確率で言うと95%。
「3倍やればまず出会える!」
これを覚えておきましょう。
コイントスなら、3倍だから6回。
1%なら、300回。
これで95%は狙い通りになります。
63%と比べたら、雲泥の差ですね。
なかなか感覚的に掴みづらい確率ですが、
誤解を解くことでセンスが上がります。
センスが上がるということは、
日常使いしやすくなるということ。
認識と実際が近づくことで、
応用の幅が一気に上がりますよ。
「確率は3倍やればまず出会える!」
確率と出会った時には、
この標語をぜひ思い出してくださいね。
今日は以上です。
それではまたー!