なぜ「思い通りに動けない」のか?【Part.4】

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「思い通りに動けない」シリーズ第4弾です。

いよいよ、核心に迫っていきます。

【前回までのまとめ】
・行動のモチベーションは以下の3つ
 ・頭の原動力
 ・心の原動力
 ・体の原動力
・これら3つの原動力の「一致」が、
 「思い通りに動く」ためのキーポイント
・頭だけで動こうとするのは非常に非効率的

これまで記事は以下からどうぞ。
>>なぜ「思い通りに動けない」のか?【Part.1】
>>なぜ「思い通りに動けない」のか?【Part.2】
>>なぜ「思い通りに動けない」のか?【Part.3】

残り2つの原動力

前回は「頭の原動力(アクセル / ブレーキ)」について説明しました。
残る2つの原動力は、「心」と「体」です。

心のアクセル / ブレーキ

ここでいう「心」とは、

「意識できる気持ち」

を指しています。

「頭では分かるけどやりたくない」

と感じたときの「やりたくない」
という部分が「気持ち」です。

ダイエットの例だと、

「お腹が減るから食べたい」
「運動は面倒だからやりたくない」

このあたりが気持ちにあたりますね。

「食べなければ良いのは分かる(頭)」
「けどやっぱり食後のデザートが食べたい(心)」

「運動が必要なのは分かる(頭)」
「けどやっぱりジム通いは面倒くさい(心)」

この「けど」の部分が、頭と心のアクセル / ブレーキが反転している点です。

心の原動力の特徴

心は本来「体側」に寄った原動力の方向性を持ちます。
ただし、頭の原動力に影響される特徴も合わせて持っています。

例えとして、

普段「運動が嫌い」という感覚をもつ人なら、ダイエットでエクササイズをしようとする際、心は「ブレーキ」を踏むでしょう。

しかし、理想的な体型になった自分をイメージして、そのとき得られるメリットを様々にイメージしていくと、

「やっぱり頑張ろう!」

と心もアクセル側に回ることがあります。

心を味方につける重要性

心は、あなたの行動の起点です。

「何を言うかより、誰が言うか」

とはよく言われる言葉ですが、

これは「頭だけで人は動けない」と言うことを端的に示した好例です。

逆に言うと、誰が言うかよりも「何が言われているか」に注目すると、新しい世界に触れることができる可能性は広がります。(実際に動けるかとは全くの別問題なのは、今回のテーマで伝えている通りです。)

「人は感情で動き、理屈で正当化する」

これもマーケティング業界などで特に有名な原則で、「心の原動力」が重要であることを示していますね。

頭でどれだけ正論が分かっても、気持ちでブレーキがかかって行動にエネルギーが宿らなかったり、途中で挫折してしまうのは、誰もが実感するところだと思います。

逆に「気持ちの方向性」を「進みたい方向性」に揃えることができれば、多少の困難であれば乗り越えるだけの「粘り強さ」が生まれます。

「諦めきれない」という想いは、非常に強力だからです。

心のアクセル / ブレーキを切り替える方法

「心の原動力」の方向性を切り替えるために必要なことは、

ズバリ「先に味わうこと」です。

頭の「考えること」とは違い、心の役割は「感じること」です。

感じなければ、心はアクセルもブレーキも踏みません。

心がブレーキを踏むのであれば、基本的にそれはあなたの過去の経験の中で、「嫌な気持ちをすでに味わっているから」です。

その気持ちを切り替えるわけですから、そのためには新たな気持ちを味わうしかありません。

究極に私的な話ですが、私は中学生のころ「女性恐怖症」でした。その恐怖が克服できたのは、初めて彼女ができて「怖くない女性」を実際に味わったからでした。

だからといって、動いた結果として手に入れて味わう気持ちを、動く前から実際に味わうことはもちろんできません。

そこで大切になるのが「イメージ力」です。

欲しい結果をありありと想い描き、そこに身を置いてみる。

五感の中で感じられる感覚が多ければ多いほど、心は刺激を受けます。

もっとも弱いのが言葉だけのイメージ。

次が視覚で、止まったイメージより
動きのあるイメージの方が良い。

そこに音が入り、匂いがつけばなお良しです。

「具体的なヴィジョン」が重要視される理由

巷でよく「ヴィジョンが大事」と言われますが、
もともとヴィジョンの原義は「視覚」です。

具体的なヴィジョンとは、「詳細までクリアに見えるくらいまで描かれたもの」という意味合いなのでしょう。

クリアに見えれば見えるほど、私たちはそれを実感できるので、「心の原動力」に影響を与えやすいのです。

先に伝えた通り、視覚だけよりも、聴覚・嗅覚・味覚・触覚、味わえる感覚野が多いほど気持ちは動きやすくなります。

ポイントとして、「ヴィジョンを描く」ことよりも「いかにリアルに味わうか」の方に重きを置く点が重要です。

どれだけ具体的に描くことができても、そこに臨場感をもってあなたが参加することなしには、心が動くことはありません。

トップアスリートたちがイメージ・トレーニングを重要視するのもここに理由があります。オリンピック優勝者が「金メダルを受け取る瞬間まで」を徹底的に何度も何度も描く、という有名な逸話も残っていますね。

ただし、イメージやヴィジョンにも限界があるという点には注意が必要です。

「頭と心」が一致しても、それだけではまだ不十分

ここまで、頭と心の原動力の話をしてきました。

頭だけでなく心を味方につけ、アクセル / ブレーキの方向性を一致させるだけでも、絶大な効果があります。

しかし、本当の意味で「思い通りに動く」という点において、まだ十分ではありません。

なぜなら、人の行動の原動力には最後の1つ「体のアクセル / ブレーキ」が残っているからです。

心ですら顕在意識にすぎない

この記事の冒頭に、心を「意識できる気持ち」と書きました。

「意識できる」とはつまり「顕在意識」ということです。

前回の記事に書いた、顕在意識と潜在意識の割合の話を覚えていますか?

・顕在意識( 5%未満)
・潜在意識(95%以上)

顕在意識と潜在意識では、20倍以上の差があるのです。

よく顕在意識と潜在意識は氷山にたとえられます。

海面に出て、表層が見えているのが顕在意識。

ただし「その下には大きな潜在意識が存在していますよ」と言うことです。

「頭」は氷山の上に降った雪のようなもの

頭の原動力は、残酷な物言いになりますが「氷山ですらない」ものがほとんどです。

氷山のない海面に雪は積もれません。

その点で、氷山(心・体)と積もる雪(頭)には関連性はありますが、量(影響力)の差としてはそれほどに大きなものがあるのが事実です。

「チリも積もれば山となる」ように、「頭の原動力」とて継続すればそれなりの影響をもつことはできます。雪が積もって表層の氷山の形を変えることもあります。

しかし、それでも「氷山の一角」に過ぎないのです。

「体」=潜在意識

ほとんどの人は、頭と気持ちにフォーカスを当てます。
しかしそれは、顕在意識しか見ないのと同じです。

断言します。

残り95%以上を占める潜在意識を無視して、あなたが「思い通りに動けるようになる」ことはありません

そして、そのもっとも重要な「潜在意識への働きかけ」の鍵を握るのが、実は「体」なのです。

次回はその詳細を記事にしていきます。どうぞお楽しみに。

>>続きを読む:なぜ「思い通りに動けない」のか?【Part.5】

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